生産性のない時間 is プライスレス

『世界一わかりやすい教える技術』を読んだ

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世界一わかりやすい教える技術を読んだので、その感想というか雑感を置いておこうと思います。

本の概要だけ書いておきますと、仕事で人に何かを教えないといけなくなった人のための本だそうです。 人に教える技術という、人生においてあんまり習うことのない技術をわかりやすく享受してくれます。

教えてもわかってもらえないのは、教える側の技術不足(というマインド)

ここが一番、印象に残っています。というより「言い切ったなぁ」という感じです。 こういう言い切りを見ると「でも実際問題やる気のないやつとかいるやん?」とかそういう反論は思いつくわけですが、この言い切りをあえて言った理由を考えてみるとなかなか思うことがありました。

もちろん究極的にやることなすこと全てを尽くしてその結論が出るしかなくなった場合は、もうしょうがないのですが、『教える側の責任が 100%』を前提にするマインド、 言葉としては「学習者検証の原則」ですがこの前提に立っていないと、相手の覚えが悪かったりといった責任を全て簡単に『教えられる側が悪い』と押し付けてしまい、永遠に教える側の上達が発生しないという問題が起こります。 『教えられる側が悪い』は教える側にとっては自分のミスにはならない大変都合のいい言葉なので、まずはその都合の良さを取っ払うという意味でもこの言葉は大事なのだと思います。

ただまぁこの理論は『教えなければならない』という自身に対する責任感というか義務感が前提になっているので、 教える側のマインドが「教えるの面倒だなぁ」という状態での教育の場合はこの言葉は当てはまらないのだろうなと思います。 やる気の起きないことはするもんじゃないということで…。

教えたいことは明確な行動にしましょう

「ダメじゃないか!やり直し!」はダメだということですね。具体的に何がダメなのかちゃんと説明してあげてください。 「何がダメなのかを考えさせるのも教育だ!」という気持ちもあるのですが、考えるための前提の入力もされてないのにいきなりダメとだけ言われてどうにかなるわけねぇだろうがということですね。 それはもう少し後のステップでやるべきことなのだと思います。

教え方はちゃんと人に合わせる

個別対応にはえげつないコストがかかることは分かるのですが、結局これが一番大事なのだと思います。 学校教育などが抱えている問題ですね。個別対応している暇なんてないという。 こればっかりは時間を捻出するしかありません。がんばりましょう。

私自身は、教科書を一から十まで順番にやるという方法が学習方法としてマジで苦手なので、そういう人にはそういう人に会った教育をする。 逆に、基礎からやることに苦痛を感じないタイプの人の場合は教科書通りにやってみるなど。

教えるという行為は本来業務の片手間なんかできることじゃないのですよね。教える側を観察対応する時間などを取ったうえでやるべきなのです。 「理想論だ!現実にそんなのできるわけないだろ!」というツッコミを思いついたりするのですが、 それはもう会社の問題なので清くあきらめるなりカイゼンするなりするしかない…頑張りましょう…。

怒るな

いやほんとそうですね。怒られるとやる気がなくなるとかそれ以前の問題として委縮してしまって普通にミス増えますよね…。 生産性がないです…。

この話については、どっかの大学の話を小耳にはさんだ記憶があります。 教師が生徒に対して怒ってしまった場合、「さっきはすまなかった。ちゃんと最初から教える。」と教師が謝罪したりするそうです。 「どうしてこんなことも知らないんだ!」というのは言ってはいけないことらしいです。 その話と結び付けて読んだ当時「すげぇ」と思った記憶があります。

スキル別の教育方法

という大別をこの本はしています。詳しくは書きませんが、ちゃんとスキル別に教え方があるよね、という話でした。 例えばプログラミングを教えるのに『とにかく手を動かせ!』とかいってもしょうがないよなという。

あとがたり

当たり前といえば当たり前な気もする話が多かった気がしますが、コストをかけずにサクッとやれる銀の弾丸みたいなものはないのです。 個別に泥臭くやっていくしかないのと思います。

それと、教えるという技術に『インストラクショナルデザイン』という名前がついていたことには少し驚きました。

まとめとしてはとても勉強になりました。教えることのとっかかりとして大変有用な本だと思います。(本に有用だとか無用だとかいう評価をつけるのは好きじゃないのですけどね…。)

ここに書いた私の殴り書きより、実際に本を読んだほうが何倍もためになると思うので、 最後にはなりますが、『世界一わかりやすい教える技術』、こちらぜひ読んでみてください!

余談ですが、こういう時にアフィリエイトを貼ると「結局宣伝かよ!」というのが発生するのをたまに見かけるのですが、 個人的には「いやフリーライドさせてもらってるんだし別に良くないか?」という派閥です(謎宣言)。